新鋭のアーティストfeebee(フィービー)氏が描く!本年度の進呈作品制作をレポート

木版画制作監修

本財団の活動をご支援いただいている賛助会員の皆様へ1年の成果報告として進呈している新作木版画の本年度分がこのたび完成いたしました! 今回絵師にお迎えしたのは、強い色と繊細な線で人間や動植物を描き出し、独特なネオジャパネスクスタイルの作風で国内外から注目を集める新鋭のアーティストfeebee氏です。

スポーツブランドNike(ナイキ)や化粧品ブランドShu uemuraなどの有名ブランドの広告に加え本の装丁やCDジャケットなども数多く手掛ける人気イラストレーターであり、近年では画家として現代美術の世界でも脚光を浴びています。 2012年にはアダチ版画が取材協力した鳴海 章氏の小説「はつこひ写楽」の装丁に写楽の代表作『三世大谷鬼次の奴江戸兵衛』をオマージュして描くなど、私たちにとっても縁の深いアーティストです。

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今回、feebee氏は江戸時代後期の浮世絵師・遠浪斎重光の作品『寿という獣』から着想を得て『寿という獣 酉』というタイトルで“十二支すべての特徴を備える不思議な動物”を描いています。手は申、足は亥、尾は鼠と各体の部分に動物の特徴が描写されている非常に面白い作品です。木版が得意とする艶やかな色に、強い生命力と神々しさを感じさせる本作品ができあがるまで、その制作風景を彫・摺の動画と共にレポートします!


彫師・岸が真剣なまなざしで手を動かし彫っているのは、絵師の描いた“線”を忠実に表現する墨線を摺るための版木、主版です。 feebee氏の細かく、しかし力強い線の両側に切れ目をいれ、線がのっている部分のみ彫り上げていくにはミリ単位以上の精度が必要です。動画の中で彫っているのは“十二支すべての特徴を備える不思議な動物”の耳とたてがみにかけての部分で、非常に高い集中力で小刀(こがたな)を巧みに動かし彫り進めています。 こうして細かく線のアウトラインを彫り上げた後に鑿を使い、板の不要な部分を取り除いていきます。feebee氏の繊細で力強い線が忠実に、かつ木版らしい爽やかさを携えて浮かび上がっていくのです。

次回は、彫り上がった版を使って鮮やかに作品が色づいていく摺りの様子をご紹介します。お楽しみに!

feebee『寿という獣 酉』を含む 平成28年度 進呈作品一覧はこちら(PDF)

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