第12回 アダチUKIYOE大賞 結果発表!

沢山のご応募ありがとうございました。公募の結果は、下記の通りとなりました。

【 第12回アダチUKIYOE大賞 結果 】

募集期間 2020年7月21日より2020年12月25日まで
募集内容 応募要項(2020年)のページ参照
応募点数 55点

応募者データ [居住地] 日本、クロアチア、ドイツ

審査委員 小山登美夫(ギャラリスト)

三井田盛一郎(東京藝術大学 美術学部絵画科 准教授)
山下裕二(明治学院大学 文学部芸術学科 教授) 敬称略・五十音順
安達以乍牟(当財団理事長)

審査方法

第12回目となった今回は、「現代の浮世絵を描く才能のあるアーティストを発掘する」という趣旨にならい、昨年度同様に制作した作品を紹介するポートフォリオを募集いたしました。

審査においては、応募者の画風や力量、日頃の制作活動の成果に重点を置き、総合的な観点から現代の浮世絵師としての可能性を秘めた方々を選出いたしました。大賞受賞者には、主催者との打合せの後、木版画の制作に取り組んでいただく予定です。なお、優秀賞については該当者なしといたしました。

受賞

大 賞 賞金 30万円+現代の職人の技で木版画として制作(完成した木版画を進呈)

オギハラ フウカ
優秀賞 賞金 15万円+現代の職人の技で木版画として制作(完成した木版画を進呈)

該当者なし
佳 作 賞金5万円

伊藤 千恵子

福田 季生

 

【 大賞 】 オギハラ フウカ

オギハラフウカ
オギハラフウカ
© Fuka Ogihara

[審査委員のコメント]

墨の濃淡をうまくコントロールしてモノクロの画面を作り出す確かな技術力や、朱の効果的な使い方が選出の理由となりました。中でも群像を描いた作品には、審査員から高い評価が集まりました。「現代社会における境界」という社会的テーマは、現代の浮世絵としてもふさわしいものでしょう。特徴的な墨のグラデーションが木版でどのように表現されるのか楽しみです。

 

【 佳作 】 伊藤 千恵子

伊藤千恵子
© Chieko Ito

[審査委員のコメント]

確立された個性とキャラクターが大変魅力的です。色遣いや女性の表情など、伊藤さんらしい描き方、画風をしっかり持っていること、また優れた画力も評価されました。木版を意識した絵作りがあれば、なお素晴らしかったと思います。

 

【 佳作 】 福田 季生

福田季生
© Kiharu Fukuda

[審査委員のコメント]

大変よく描けています。着物の柄にこだわりを持って描いていることや、着物が好きという気持ちが一目でわかり、自然と着物に目が吸い寄せられます。主体である人物の表情などにも、さらに個性が出てくることを期待します。

 

選考にあたって

[総評]

昨年に引き続きポートフォリオによる審査を行う中で、作家自身の個性や能力をより具体的に把握することができました。審査では、作家その人に焦点を当て、画力や一目見てその人とわかるような個性、木版作品にした際に生まれる魅力、さらなる可能性を感じさせてくれる作家かどうかということが主な評価基準となりました。

本年度は、コロナウイルス感染症の影響もあり、チラシ・ポスターの設置は行わず、財団のホームページやSNS、そして公募サイトを中心に広報活動を行いました。
今回は、イラストレーションの分野で活動される方が多かったためか、デジタルツールを使った表現と思われる作品が目立つ一方で、肉筆で描かれた作品を応募される方が例年より少ない傾向にありました。木版を表現手段とする場合には、特に、絵師の描く線の美しさは作品にとって重要な要素になると考えています。その点において、今回応募いただいたポートフォリオに肉筆作品が少なかったのは残念に思いました。

来年度以降もポートフォリオ審査を継続して行うと同時に、受賞者と制作する木版画が広く一般に評価をされることにより、木版がもつ表現の可能性に応募者の目が向くような公募にしてまいります。
また、新たな木版の可能性を探るという本来の目的に立ち返り、様々な画風の作品から選出を続けていきたいと考えています。

 

審査風景