アダチUKIYOE大賞 受賞者インタビュー
第9回優秀賞 奥村彰一さん PART1
UKIYOE大賞

当財団が毎年行っている絵師募集の公募「アダチUKIYOE大賞」の本年度締切まで残り1カ月弱となりました。
応募を検討されている方に本公募のもつ可能性をもっと感じていただきたいという思いから、実際応募し、木版画制作をご経験いただいた過去の受賞者に「アダチUKIYOE大賞の魅力」を語っていただきました。
応募を検討されている方に本公募のもつ可能性をもっと感じていただきたいという思いから、実際応募し、木版画制作をご経験いただいた過去の受賞者に「アダチUKIYOE大賞の魅力」を語っていただきました。
前回の宮﨑優さんに引き続き、第2回目は、第9回の優秀賞受賞者 奥村彰一さんにお願いしました。本年度「第11回アダチUKIYOE大賞」のポスターに採用させていただいております。
審査員からは、中国に古くから伝わる年画のエッセンスを取り入れた、独自の世界観が高く評価されました。 カラフルで華やかな色遣いや、絵づくりをよく理解している画面構成から、絵師としての力量の高さを感じると同時に、木版画ならではの効果が十分に期待でき、面白みのある作品が生まれるのではと、私たちも制作を楽しみにしていました。
審査員からは、中国に古くから伝わる年画のエッセンスを取り入れた、独自の世界観が高く評価されました。 カラフルで華やかな色遣いや、絵づくりをよく理解している画面構成から、絵師としての力量の高さを感じると同時に、木版画ならではの効果が十分に期待でき、面白みのある作品が生まれるのではと、私たちも制作を楽しみにしていました。

完成した木版画作品
奥村彰一「TROPICAL 贈福」
奥村彰一「TROPICAL 贈福」
奥村彰一 略歴
1989年 中国、北京市生まれ。
2009年多摩美術大学日本画科入学後、2011年に北京の中央美術学院へ留学し、中国画を学ぶ。
2017年多摩美術大学美術研究領域日本画専攻修了。
多摩美術大学日本画研究室副手を経て、現在画家として活動中
2009年多摩美術大学日本画科入学後、2011年に北京の中央美術学院へ留学し、中国画を学ぶ。
2017年多摩美術大学美術研究領域日本画専攻修了。
多摩美術大学日本画研究室副手を経て、現在画家として活動中

PART1 応募~受賞編
Q. まず、本公募にご応募いただいたきっかけは?
大学で本公募のポスターを見かけたことがきっかけでした。
もともと作品において、中国の民間芸術である[年画]から影響を受けていましたが、同じく民間芸術である日本の浮世絵にも大変強い興味を持っておりました。
同じ木版で制作される両者ですが、その大きな違いは、テーマの幅にあります。
年画が、主に吉祥風物をテーマとしているのに対し、浮世絵はその名の通り浮世のあらゆる物事をテーマにしています。
それに付随して、様々な技法も確立されているように思い、兼ねてから自分の作品を浮世絵として制作してみたいと思っておりました。

本年度のポスターは、奥村さんの作品をベースに制作しました。
しかしながらそのような機会も極めて少ない中で、本公募は、自分の作品を本物の職人さんに浮世絵として制作して頂く貴重なチャンスであると思い、応募をしました。
Q. 応募の際気を付けたことは?
本公募はポートフォリオ審査ですので、何より「見やすい」ということにこだわりました。小冊子も作成し、手に取りやすく、印象に残りやすいように気をつけました。

奥村さんの応募票と冊子状のポートフォリオ

応募の際の「ポートフォリオ」からの一図
Q. 受賞の時のお気持ち、そしてその後作家活動に影響は?
いよいよ自分の作品が、世界に冠たる浮世絵の、本物の技術を以って作品になることを思うと、期待に胸が高鳴りました。自分の個展でも浮世絵の作品と岩絵具の作品を同列に並べ、鑑賞者には表現技法の違いを楽しんでもらえたかと思っております。
いよいよ自分の作品が、世界に冠たる浮世絵の、本物の技術を以って作品になることを思うと、期待に胸が高鳴りました。自分の個展でも浮世絵の作品と岩絵具の作品を同列に並べ、鑑賞者には表現技法の違いを楽しんでもらえたかと思っております。
