令和2年度賛助会員向け進呈作品
洵さんインタビュー(第10回アダチUKIYOE大賞 大賞) Part1

UKIYOE大賞
私どもの財団の活動をご支援くださる賛助会員に毎年配付させていただいております進呈作品のご案内が12月より始まりました。今年の新作は、第10回アダチUKIYOE大賞で大賞を受賞された洵さん「春高楼の花の宴」と優秀賞を受賞された長友由紀さん「東京駅地中図絵」の木版画として完成した作品2図をご紹介しております。 まずは、洵さんの作品「春高楼の花の宴」をご紹介すると共に、アダチUKIYOE大賞へどのような想いでご応募いただいたのか、そして受賞後の木版画制作について、ご本人にインタビューさせていただきました。
完成した木版画作品 洵「春高楼の花の宴」
洵さんの作品は、第10回アダチUKIYOE大賞の審査の中でも、純粋な画力の高さ、そして、絵のもつ雰囲気の良さが際立っていました。木版を意識したレベルの高い作品を、コンピュータで制作している点も高い評価につながり大賞を受賞されました。人物画にも胸に迫る魅力がありますが、風景画を木版にした場合には、叙情的な作品に仕上がるのではないかという期待感があり、今回、風景画作品に挑戦していただきました。


PART1 応募~受賞編
Q. ご応募いただいたきっかけは?
ネット検索をしていた際、偶然第9回大賞を受賞された宮﨑優さんの「花ざかり」の画像が目に止まり、公募情報サイト上に掲載されている第10回アダチUKIYOE大賞の募集ページに行き着いたことがきっかけです。 私はパソコンを使ってデジタルツールで和風タッチの作品を制作しており、効率性や表現の幅広さなどのデジタル制作の良さを活かしつつ、手描きの柔らかさや日本画独自の質感や風情を表せるような作品を目指しています。浮世絵にも非常に興味があり、作品を制作するに当たって、参考にすることも多いので、現代の浮世絵師として木版画技術を現代・未来に伝えることに貢献できる可能性があるこの賞に強く心惹かれました。 また、江戸時代から受け継がれる伝統技術を守るだけでなく、新しい試みに挑戦しているアダチ版画さんの理念に、現代の新しい技術を使って伝統的な絵を制作しようとしている自分自身との共通点を僭越ながら覚えました。その考えに共感して、ぜひ挑戦してみたいと思い、応募を決意しました。  


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第10回の募集フライヤー 宮﨑優「花ざかり」


Q. 応募の際、特に気をつけられたことはありますか?
イラストレーターということもあり、日頃からポートフォリオファイルを企業に送付して営業することが常ですが、その際に気をつけていることが、ポートフォリオをご覧くださる営業先の方の立場に立って考え作品を選ぶことです。アダチUKIYOE大賞の応募の際もそれを心がけ、得意の着物や日本髪といった時代物の日本画テイストの作品や現代の人物画、 植物画や風景画など様々なパターンの作品を選び、普段どんな作品を制作しているのかをわかりやすいようにまとめようと努めました。
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洵さんが実際用意したポートフォリオの作品
 
Q. 受賞の時のお気持ち、そしてその後作家活動に影響は?

初めは驚きの方が大きかったです。大賞という一番重みのある賞でしたので、受賞のお知らせを何度も見返しました。ホームページの審査結果ページで自分の作品が載っているのを見て、ようやく実感が湧き、嬉しさが込み上げてきました。デジタルで制作しているという点を評価していただけたことが、とても嬉しかったのを覚えています。それまで、自分の作風についてこれでいいのかと悩んでいた時期が長かったので、大賞受賞は大いに背中を押していただきました。授賞式でお話を伺った際、「江戸時代の浮世絵師は、現代でいうイラストレーターのような役割」という言葉がとても印象に残っており、その後もイラストレーターとして活動していく上での自信に繋がりました。

洵さんの木版画「春高楼の花の宴」は、当財団の賛助会員(年会費2万円)にお申し込みいただいた方に、進呈させていただいております。>>賛助会員のご案内
PART2 制作編に続く>>
 
 
洵 略歴
福島県会津生まれ・在住のイラストレーター。 日本画のような和風な雰囲気や、どこかノスタルジーを感じるような絵を中心に制作している。全てパソコンを使ってのデジタル作画で、効率性や表現の幅広さなどのデジタル制作の良さを活かしつつ、手描きの柔らかさや日本画独自の質感や風情を表せるような作品を目指している。 主に着物・日本髪など日本文化に関係するものや時代物、歴史系の絵を得意とし、月刊文芸誌の小説挿絵、児童書・歴史学習書籍の説明イラストなど書籍の仕事を中心に、電子書籍の扉絵、パンフレットや学習テキストのカットイラストなど幅広く活動中。 >>洵さんWEBサイト
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